第1回:歯周病の治療について

 

「歯」に関するいろいろな情報を皆様にお届けするコラムのページです。
第一回目は「歯周病の治療について」です。
<歯周病とは?>
現代では、成人の約8割の人が歯周病にかかっているといわれています。そんなにたくさんの人がかかっているかもしれない歯周病とは一体どんな病気なのでしょうか?
歯周病とはその名の通り、歯ぐき(歯肉)とその他の歯を支える骨などの組織(歯周組織)に起こる炎症をいいます。
つまり歯を支える土台に起こる炎症のこと。
歯科医院でどんなにきれいな被せ物を入れても、歯を支える元、つまり歯周組織が駄目になってしまえば、全く意味がありません。
例えば、荒れ果てた砂地にどんなに立派な家を建てても、雨風ですぐに駄目になってしまうのと同じです。
ではなぜ人は、歯周病にかかってしまうのでしょうか?
そして、それを防ぐ方法はあるのでしょうか?
ここでは、簡単な歯周病の起こり方と、その治療法について説明させていただきます。
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<歯周病の起こり方>
みなさん、バイオフィルムという言葉をご存知でしょうか?
バイオフィルムとは歯を磨かないままで放っておくと、歯の表面に貼り付いて来る、白いねばねばのことです。
これは食べかすではなく、食べかすに群がっている細菌の塊なのです。
このプラークには耳かきひとすくい分に約2億匹もの細菌がうようよしているといわれています。
実はこのバイオフィルム、お口の中だけに存在するものではなく、身近な場所にも存在します。
それは排水溝のぬめりです。
そのぬめりと同じものがお口の中に存在すると考えただけでも、ぞっとしますよね。
その何億、何兆匹もの細菌が、あなたの磨き残しを狙って歯の表面をびっしりと被っているわけです。
そして更に悪い事に、その細菌は、歯肉を腫れさせたり、歯を支えている骨を溶かしたりと、
気付かない内に口の中でどんどんと悪さを働きます。

歯周病の初期段階は、ほとんど痛みはありません。
最近少し歯ぐきが腫れてきたなぁ、歯磨きすると出血するなぁ程度で、あまり大きな変化は見られません。

ですが、それがこの歯周病という病気の一番怖いところ。
あなたの歯周組織は着実に細菌に壊されているのです。
だんだんと骨が無くなって来ると、歯肉は腫れて膿が出はじめます。
大きく腫れたり、ずきずきした痛みが起きたり、歯がぐらつき始めることも稀ではありません。
この頃に、初めて口の中の異常に気が付いて来院される方がほとんどです。
気付いた頃にはすでに歯を抜かないといけない状態で、手遅れになってしまっていることも少なくはないのです。

では、どうすれば歯周病は治療する事ができるのでしょうか?

実は、一度溶けてしまった骨が完全に元通りに戻るということは、ありません。
なので、できるだけ早く歯周病を発見し、その進行を止める事が治療の目的になります。
そうすると、歯がぐらぐらしはじめてからよりは、痛みも何もない状態で治療を始めた方が、ずっと歯が長持ちするということです。

 

プラークが溜まってくると、まず細菌の出す毒素で歯肉が腫れてきます。
プラークは歯磨き(ブラッシング)で落とす事ができますが、歯磨きが充分にできずに磨き残しが溜まってくると、
段々石の様に固くなって来ます。これが歯石です。こうなるともうブラッシングでは落とす事ができません。
歯科医院での歯石除去(スケーリング)が必要になってきます。
【歯肉炎・軽度歯周炎】

さらに細菌の出す毒素で歯肉が腫れ上がり、歯を支える骨が溶かされていきます。
それでもまだ放置しておくと、歯石は骨を求めて
どんどんと歯肉の中へと潜って行きます。
そうすると、支えを失った歯は少しずつぐらぐらしはじめてきます。
歯肉の中にまで潜ってしまった歯石は、必要があれば歯肉に麻酔をして、1回に数本ずつ、
長い治療期間(数週間から数ヶ月)をかけて取っていかなくてはいけません。
【中等度歯周炎】

そうして、歯を支える骨がほとんど溶けてしまうと、
もう咬めないほどにぐらぐらしてきたり、勝手に歯が抜けてしまったりと、手の施しようがない状態にまで歯周病は進行して行きます。

こうなると、ほとんどの場合で抜歯が必要になってきます。
【重度歯周炎】

以上の様に、歯周病は完治する事がない、とてもやっかいな病気です。
いつまでも歯を失わず、何歳になっても自分の歯で食事が美味しくできるようにするのに一番大事なことは、早期発見早期治療。
進行すればするだけ歯の寿命も短くなり、また治療期間も長引きます。
痛くない内に歯科医院で適切な治療を受け、毎日のブラッシングをしっかり行うことこそが、
いつまでも健康な歯でいられる秘訣なのです。

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